透明だったはずの窓ガラスが、いつしか変色していた……なんて経験はありませんか?
それは、経年劣化によるものです。
それを放置していると、窓ガラスとしての性能を保てなくなったり、割れてしまったりする場合もあります。
今回はガラスのプロが教える、経年劣化の原因の究明と、それらを解決するための対策をご紹介していきます。
窓ガラスが劣化する3つの原因
ガラス素材自体は半永久的と言われています。しかし、実際の窓ガラスはいつまでもその性能を保っていられるわけではありません。
何もしないで放置していても、さまざまな環境におかれた窓ガラスは、いつしか劣化します。
窓ガラスが劣化する原因は、主にくもり、日焼け、ヒビです。
窓ガラスのくもり
一般的な窓ガラスの劣化の原因として、くもりがあげられます。
透明なはずの窓ガラスの表面に白っぽい模様が浮き上がっているのでしたら、それは経年劣化によるくもりです。
そしてくもりの原因は、ガラスにアルカリ成分が含まれていることによります。
長期にわたって窓ガラスの掃除をしないと、アルカリ成分が溶出する現象が起きます。
これは、ガラスの経年劣化としてもっとも代表的な原因といえるでしょう。
窓ガラスの日焼け
くもりと並び、経年劣化としてもう1つ代表的なのが日焼けです。
窓ガラスは常日頃、多くの太陽光を浴びています。
また太陽光には紫外線も大量に含まれており、それによって窓ガラスに含まれている成分が化学反応を引き起こし、劣化が進んでいきます。
窓ガラスのヒビ
強風などによって砂や小石が窓に当たり続けると、窓ガラスはダメージを受けて小さなキズができます。
長期にわたるダメージにより、小さなキズが蓄積して窓ガラスにヒビが入ってしまうことがあるのです。
ヒビが入ると、窓ガラス本来の強度や性能がいちじるしく低下します。これも経年劣化の1つといえるでしょう。
2つの経年劣化対策
ガラスは半永久的と言われますが、実用において経年劣化を避けることはできません。
しかし日頃のメンテナンスで経年劣化を最小限に抑えることは可能ですし、窓ガラス自体を交換することで解決することもできます。
日頃のメンテナンス
窓ガラスがくもることを防ぐには、シンプルですが窓ガラスを洗ったり拭き掃除をしたりすることが有効です。
キレイに保つことが重要で、できるかぎりこまめに掃除を行うことが、大きなポイントとなります。
一方、日にちを開けすぎると、アルカリ溶出した成分を除去するのが困難になってしまうので、注意が必要です。
くもりがひどく、普通に掃除をしても落ちない場合、ガラスクリーナーなどを用いると、本来の透明な窓ガラスに近づけることができます。
窓ガラス自体を交換する
古い窓ガラスは、アルカリ溶出を起こしやすく、性能がもともと低いものが多いです。
一方最近の窓ガラスは、性能が高いことはもちろん、劣化の原因となる日焼けを予防する機能を持っているものもあります。
無アルカリガラスに交換する
無アルカリガラスは文字通り、アルカリ成分が入っていないガラスです。
特に有名なのが液晶テレビで、無アルカリガラスが用いられています。
またパソコンのディスプレイにも、無アルカリ性のガラス基板が使われています。
窓ガラスに使われる無アルカリガラスは、低膨張、高耐熱に優れている特徴があります。
くもり対策を本格的に考えている方は、無アルカリガラスを応用したものに交換するのがおすすめです。
色調偏光グラスに交換
色調偏光グラスは、日焼けによるガラスの変色を利用したものです。
紫外線が弱いと表面の色が薄くなり逆に、紫外線が強いと濃くなる特徴をもっています。
この特徴により、視界も確保できるというメリットを持つ優れものです。
まとめ
窓ガラスの経年劣化は避けられません。
しかし、日頃のメンテナンスをこまめに行うことである程度劣化を防ぐことはできます。
とはいえ、古いガラスの場合は劣化するスピードが早いため、最新のガラスに交換してしまうことがもっとも有効かもしれません。
ガラス業者さんに一度相談することも検討してみませんか?